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〜
「詩ー！今日、仕事早めに終わったんだよ。遊ぼうか」
「うん！」
暇さえあれば、僕の側にいていつも遊んでくれる優しい父親。
小さい頃の記憶に母親の思い出は何一つなくて、小さい僕は父親しか親がいないんだと思うくらいに記憶にいない。
「父さんはな、子供が大好きなんだよ。生まれてくれてありがとうな。詩」
「お父さんの子にね、生まれてよかった！」
暖かなその声は、優しく僕を呼んでくれて。
何倍も大きな体は、優しく抱きしめてくれる。
「お父さん！あっちにね、大きな桜があるんだー」
「そうなのかい？行こうか」
「うん！」
注意力散漫。
信号が青という認識だけで、周りを見ずに渡った横断歩道。
「危ない！！！詩！！！」
「ぇ」
横を向けば、こっちに来る大きな車。
少しの衝撃の後にほんのり感じる温もりと痛み。
「お父さん…？お父さん！！！」
〜
「…ん…？」
「起きたのね」
ほぼ初めてとも言える母親の顔に驚きと同時に状況を少しずつ整理する。
小さい頭ながら、頑張ったんじゃない？
「お父さんは…？」
「…死んだわ」
その事情が信じられなくて、成長盛りとはまだ程遠いかもしれないけど、成長止まるんじゃないかって思うくらいご飯が食べれなかった。
「ご飯、食べなさい」
「…うるさい！」
「…」
僕の扱いそのものより、子供の扱い自体知らないみたいで、そんなんでよく子供作ろうって思えたなって思ったり。
そんな感じで、そのままあまり仲良いいとは思えないまま、この歳まで来てしまったわけだ
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