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〃 ページ26
一瞬で、俺の目の前には仲間たちが現れた。
俺と同じように頭に角を生やし、人よりも丈夫そうな身体をした、鬼たちだ。
｢トントン何しとったん？連絡もよこさずに｣
久々に見た俺を心配そうに見つめる瞳に、安心感を覚える。
｢それがさあ、人間に捕まっててん！｣
先ほどの状態を見ていたシャオロンに弄られるが、そんなもの無視をして口を開いた。
｢なあ皆、頼む｣
あの子を助けるの、手伝ってくれ。
そう言い頭を下げれば、肩に手を置かれた。
断られるだろうか。
中には人間を嫌っているやつもいる。
伺うようにゆっくりと顔を上げる。
眼前には、笑っている仲間たち。
｢ほーん、あの子がトントンの心を救ってくれてたんかあ｣
俺の記憶を覗いたやつが言う。
｢トントンがこんなに思ってる子ぉなら、助けるしかないやん｣
俺の心を読んだやつが言う。
｢仲間の恩人には、恩返ししなきゃね｣
武器を構えたやつが言う。
｢殺さない程度に、な｣
自分にも言い聞かすように、呟く。
そして一斉に屋根から飛び降りて、人だかりの中へ足を進めた。
おにさんこちら
｢助けたはええけど、その子どうするん？｣
｢全然動かへんやん。はよ治療せな｣
｢とりあえず連れて帰る｣
｢その人間娶るんけ？｣
｢はー、トントンの番かぁ｣
｢ちゃうわ｣
｢なあなあ、俺にも触らせてぇや｣
｢あかん。触んなクズ｣
｢しんらちゅ…｣
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作者名：ビリヤニ | 作成日時：2024年1月18日 19時
