二話 ページ2
ボク達が初めて人を殺した日から数ヶ月が経った。
数ヶ月の間に大人のヒーローはいっぱい殺したし、ボク達と同じように虐待を受けてた子供達をいっぱい保護した。
そんな、ある日のことだった。
『もー!まだいるのー!?』
「ほんっとうに面倒くさいのですね、大人というのは!」
ボク達は街中で大量のヒーローを相手に雷を撃ちまくっていた。
まだテクノペルソナがいないのが救いだ。
相手はバトラーやエゴばっかりでまぁ楽に殺すことができる。
やっとみんな倒したかと思ったとき。
「うっ…ああ…クッ…!!」
『おねえちゃん!?』
おねえちゃんが何故か苦しみ出した。
ざっざっ、と足音が聞こえた方を見ると、タバコを咥えた女の人が歩いて来ていた。
「んー、困るんだよね。私の管轄内でそんなことされちゃあさ。」
『お、おねえちゃんに何するの!!』
「あ、姉だったの?それはごめんね。でもこっちも仕事だからさ。」
パッとおねえちゃんの方を振り向くと、ギギっと首をロボットみたいに動かしてこちらを見て来た。
不器用に腕を挙げたかと思えば、ボクの方に向かって雷を撃ってきた。
『な、なんで!?おねえちゃん!どうしちゃったの!!』
「…ごめんね。これは、仕事だから。」
何発も雷をこっちに撃ってくるおねえちゃん。
ギリギリで避けてるけど、そろそろキツイ。
そんなとき、ふと気づいた。
『おねえちゃん、雷をボクに当てないようにしてるの?』
おねえちゃんの雷はいつも百発百中。なのにボクには全然当たらない。
よく見るとおねえちゃん、表情が苦しそう。
あ、おねえちゃんもボクを守りたくて苦しいんだ。
『おねえちゃん、ごめんね、ごめんね、ちょっとだけ、我慢してね。』
弱い電流を雲から生み出しておねえちゃんに当てる。
死ぬ程じゃない衝撃は、おねえちゃんを痺れさせて動きを止めた。
「へぇ…いや、お見事お見事。」
3人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
バニー芳一(プロフ) - 親を手にかける決心をした時のしぐれちゃんを思うと……素敵な作品をありがとうございます、今後も楽しみです (4月16日 19時) (レス) @page1 id: e2dede88a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レインコート | 作成日時:2024年4月14日 9時