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うんうん、とひとり頷いて少し笑ってしまう。
「なら……良かった」
そう言うと、三の姫の頬が少し赤くなったような気がした。
暗がりだし、気のせいだろうか……？
すると今まで黙っていたスイがとん、と足元に寄ってきた。
「シャークん、さっきの勾玉がどうやら鍵みたい」
「！！」
声が出そうになって、はっと堪える。
三の姫にスイの姿は見えていないし、音も聞こえていないのだから。
今は三の姫はこちらではなくて、湖の方を向いている。
それを確認してから、スイに目線で尋ねてみれば。
スイは暗闇に紛れそうな緑色の尻尾をゆらして、ひとつ頷いた。
まさかこんな形で鍵のありかがわかるとは思っていなかった。
これで二の姫の持つ組紐と合わせて2つめになる。
明日、あいつらに知らせなければ。
ただ……
そこでふと思う。
鍵のありかがわかったのは良い。
問題はそれをどうすればいいのか、だ。
考えてみたら次元を開けるのに使った鍵はどうなるのだろう？
また彼女たちに返せるのだろうか。
それによって借りるのか。
もう返せない前提で貰い受けるのか。
大分話が変わってくると思う。
三の姫がいる手前、大っぴらにスイに聞くことはできない。
うーんと頭の中で悩んでいると、三の姫が湖を見たまま尋ねてきた。
「ねぇシャークん。ここを出たらって話し、覚えてる？」
その話題にどきっとする。
つい、何時間か前に生贄の事実を知って、衝撃を受けたばかりだというのに。
それに、その話は恐らく付き人としたものだろう。
なんて答えていいか分からず口ごもっていると、三の姫は湖から視線を上げて月に向けた。
「……2人で各地を回りたいねって」
その姿がとても儚くて。
消えてしまいそうだったものだから。
なんて言っていいかわからないのに、とっさに口を開いてしまった。
「海、見たいんだろ」
思わず口を出た言葉に俺自身が驚く。
なんでそんなことを言ったのか。
けれど三の姫はこっちを見ると嬉しそうに笑った。
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しらたま。(プロフ) - ラズさん» コメありがとうございます！もう誰に読まれなくても完成させよう、という意気込みだけでやっているのでそう言ってくださる方がいるのは非常に嬉しいです^^ 時間が出来次第、完成まで頑張りますので気長にお付き合い頂けますと有難いです！今後もよろしくお願いします！ (1月6日 20時) (
レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
ラズ - 夢より名前変換小説の方が好み+不穏なファンタジーも大好物なので、ここまで一気読みさせて頂きました。一話一話読み進める度、物語に引き込まれていくような描写がとても素敵です。コメント失礼しました、これからも更新楽しみにしております。 (1月6日 19時) (レス) id: e9e65a10f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたま。 | 作成日時：2023年12月12日 20時
